作品紹介 · 2019年7月20日

作品紹介『けいせいしんまちさんちょうめ』

この作品は京成をテーマにした第2回ピカユナ展のため製作しました。

高さ33.5cm×幅43cm×奥行き10.5cm
車両はNゲージ(1/150スケール)、フィギュア・建物の一部にその他スケールもあります。

架空の街「けいせいしんまち」。
その中の三丁目パンダの街の景色を作りました。
この街は、京成トレイン会社がみんなを喜ばせるために作ったどうぶつの街、という設定です。
現実とも少しリンクさせ、かなりデフォルメされてますが、日暮里繊維街や夕やけだんだん、谷中銀座商店街、上野動物園、荒川の鉄橋やスカイツリーを入れました。
背景部分は別のどうぶつの街になっています。
子どもたちに喜んでもらいたいなぁと思って、なんというんでしょう?楽しげな色?そんな色を目指して作り、実際展示中はお子さんたちの食い付きはよかったようです。
嬉しいですね!

全体がそうなんですが、一つ一つの建物、景色の厚みを薄くして重ねています。
額縁を抜いたジオラマ土台の奥行きが8.5cmなので、建物は約3cmくらいから薄いのでは1mmくらいの奥行きになっています。こんなに狭いスペースながら、建物26棟もあるんですよ。
既製品を使うとこもあれば、建物の多くは紙で一から作りました。
苦手な照明もなんとかクリア。(買い間違えたり1個ダメにしたり)

植物は手芸材料を使用しました。現実感を抜きたかったので、一般的な模型材料より、画材屋さんや手芸屋さんで材料調達することが多かったです。

イラストっぽさを説明するのが難しいのですが、完成して正面から見たときに平面に見えるように、とでも言うんですかね。
配置の仕方と紙やアクリル絵の具を使うなど工夫しました。
作品にはストーリーを付けて、当日はその文章も一緒に展示しました。

では、以下は完成までの流れです。
京成というテーマから、沿線の自分にとって思い入れのある景色を入れることにしました。
また最初は漠然としてましたが、鉄道模型をイラストのように表現してみたいという気持ちから製作を始めました。
開催場所が日暮里だったので、昔よくお世話になった日暮里繊維街の思い出から、手芸のような雰囲気も出せないか?なども考えていました。

なんとなくの配置も決まり、さぁ本格的に!と進めてみたもののなぜか進められないのです(汗)
現実逃避もしつつ大先輩方にありがたいお言葉をいただきながら、ふと気付く。
「京成というテーマと入れたい景色があっても、自分なりのテーマや出したい雰囲気、方向性がない」
イラスト風とは決めたものの、そこに説得力を出せるものやコレ!という自分なり柱のようなものがなかったのです。
そして、今までやったこととは違うものを作る勇気も出せず、なんだかウロウロふらふら悩んでた気がします。

そこで助けられたのが絵本でした。
まずイメージをストーリーとして作り、それをもとに景色を作ることにしました。
同時にターゲットは子どもたちだな、なんてことも考え始めていました。
なんだかやりたいことが明確に見え、迷いはほぼなくなっていました。
その後はとにかく時間との勝負で、ひたすら作業。
結果的にはできてないところも多く、反省点は山ほどでした。
自分の苦手なところもはっきり出てしまったような気もしています。
ただやってよかったってのは強く思っています。
額縁を使うとどうなるかなども、今の自分にはいろんなことがチャレンジです。
経験を積んでいろいろな表現方法をこれからも学びたいと思います。